「あ、もうこんな時間か」
「でも、あともう少しだけできるな」
人間の集中力は15分と言われていますが、SNSの閲覧、ビデオゲームなど、私たちはこれらを平気で何時間も続けることができます。
ですが、15分本を読む。
これはちょっと難しすぎるかもしれません。
10分勉強する。
これもちょっと難しいですね。

Hi しゃーろです。
あなたは日々、時間が空いた時に何をしているでしょうか?
冒頭であげた、SNSやビデオゲームなどを延々とやっているかもしれません。
どう考えても本を読んだり勉強をしたりすることの方が、私たちにとって利益をもたらすのに、あなたはまだSNSを見たりゲームをしたりしています。
その理由は簡単でしょう。
一方は、特に努力を必要とせず楽しみを与えてくれ、もう一方は、難しいのに前者よりも退屈で力を使わなければならないからです。
ですが、世の中にはSNSやゲームをすることよりも、勉強や運動、ビジネスに何の問題もなく取り組む人たちもいますよね。



「もしかして私とは同じ形をした違う生き物なのかな?」
こんなことを思ってしまう時もあります。
ですが、同じ生き物なんです。
では、なぜなのでしょうか?
今回は「スマホを投げ捨てて勉強をし始める方法」というテーマで話していきます。
この記事を読んで仕組みを理解し、うまくコントロールできるようになれば、あなたの生活はどんどん改善されるでしょう。
目かっぴらいて、よく読んでください。
では、始めましょう。
良いとわかっていることが難しく感じる理由


今回の話に深く関わってくる物質は何でしょうか。
それは「ドーパミン」と呼ばれるものです。
ドーパミンは中枢神経系で働く神経伝達物質の一種で、脳内で喜びや動機づけの役割を果たしています。
特に報酬や快楽に関連する機能を担っている脳の「報酬系」と呼ばれる部分と深く関わりがあります。
ある行動によってドーパミンが放出されて快感を得ると、脳がそれを学習し、再びその行動をしたくなるんです。
「パブロフの犬」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
ロシアの生理学者イワン・パブロフによる古典的な行動学の実験のことです。
犬に食事を与える時に鈴を鳴らす。
そうすると、次第に鈴を鳴らしただけで唾液が出るようになる。
これは鈴の音が「報酬」、ここでは食事と結びついています。
「鈴の音がなったことでご飯がもらえる」という予測から、ドーパミンが放出されているんです。
また、ラットとレバーを使った実験もあります。
ラットの脳に電極を埋め込み、レバーを押すと電流が流れてドーパミンが放出される仕組みを作る。
すると、ラットは水も飲まず、餌も食べず、ずっとレバーを押し続けた。
これらの実験から、ドーパミンが報酬や快楽と密接な関係があることが分かりますよね。
また、このように報酬があると予測される行動ではドーパミンが放出されますが、すぐに報酬が得られないとわかっている場合は放出されることはありません。
報酬が手に入るなら、自分にとって有害かどうかも脳には関係ないんです。
例えば、薬物中毒者。
ヘロインやコカインなどの薬物は、摂取することでドーパミンの数値を跳ね上げます。
薬物が体に良くないことを知っていても、やめられないのはこのせいです。
ゾッとするかもしれませんが、現代の私たちは知らず知らずのうちにドーパミンを大量に放出しています。
例えば、SNSやウェブサイトのスクロール、スマホやビデオゲーム、他にも刺激的な動画を閲覧した時などです。
私たちは、これらの行動1つ1つに何かしらの報酬を求めています。
例えば、スマホを常にチェックして通知が来ていないか確認したり、ゲームに負けた時、次は勝てると思って何回も繰り返しますよね。
勝った時もドーパミンが放出されて、また繰り返すかもしれませんが。
人間には「ホメオスタシス」という機能があることを知っていますか?
恒常性維持機能とも呼ばれ、身体の状態を一定に保つ仕組みです。
例えば、夏でも冬でも、気温に関係なく体温を36度程度に保ちますよね。
そのホメオスタシスのバランスは、全てがずっと一定とは限りません。
例えば、タバコを吸ってニコチンを摂取することで、脳の報酬系に刺激を与える。
それを繰り返すことで、ホメオスタシスが破綻し、1本から2本、3本、1箱と依存していくんです。
「だから何?」と思うかもしれませんが、先ほども言ったように報酬系への刺激はドーパミンが関係しています。
私たちが普段何気なくしている行動によって大量のドーパミンが放出されていますが、それに私たちの脳は慣れていき、そのレベルが基準値となってしまうんです。
だから本を読んだり勉強したりすることが難しくなります。
放出されるドーパミンの量が圧倒的に少なく、つまらなく感じるからです。
では、どのように改善していけばいいのでしょうか?
ここからは、具体的な改善方法について解説していきます
ドーパミン・デトックス


ここまでの説明でわかる通り、私たちは「短期間」で「力を使わず」に快楽を得られるスマホやビデオゲームによって、ドーパミンの基準値が高くなってしまっています。
それをリセットするにはどうすればいいのでしょうか?
それには「ドーパミン・デトックス」という方法が効果的です。
「普段している刺激の強い行動を避け、脳の報酬システムをリセットする」というものです。
やり方は2通りあります。
- 1週間に1日だけ、できるだけ普段感じている楽しみを減らす
- 刺激的な行動をフィルターにかけて一部のみ許可する
自分に合っていると思う方を試してみてください。
1週間に1日だけ、できるだけ普段感じている楽しみを減らす
1つ目は「1週間に1日だけ、できるだけ普段感じている楽しみを減らす」という方法です。
インターネット、テレビ、ゲーム、ジャンクフード。
1日だけ、これらの活動から距離をおく時間を作り、退屈を受け入れます。
退屈と言っても、ずっと何もせずに椅子に座り続ける必要はありません。
散歩に出かけたり瞑想したりするのは全然大丈夫です。
頭の中を整理するために、思っていることを紙に書き出してみたり、目標を改めてみてもいいかもしれませんね。
注意して欲しいのは、紙に書き出すということです。
間違えてもスマホのメモアプリを使うなんてことはしないように。
刺激的な行動をフィルターにかけて一部のみ許可する
2つ目は「刺激的な行動をフィルターにかけて、一部のみ許可する」という方法です。
よくありがちなのが、次の日から継続して全てをカットするというもの。
ダイエットをするために、あらゆる糖質を全てカットしてみるとしましょう。
すると、どうなるでしょうか?
2日目以降、脳の中は「糖質」だらけになってしまいます。
続けられないどころか、リバウンドしてさらなる悪影響をもたらすかもしれません。
これは私が実際に経験したことですが笑
なので、一気に全てを排除するのではなく、一部のみ許可しましょう。
まずは、あなたが楽しいと感じること、快感を感じるものを全て書き出してみてください。
最近はドーパミンデトックスと言うと、「筋トレや音楽を聴くなどの行為も禁止する」という人もいますが、それではストレスが溜まってリバウンドする可能性が高くなります。
筋トレをしたり音楽を聴いたりすることは、自己肯定感が上がったりリラックスする効果がありますよね。
身体に悪影響が無いものは、残しておいて大丈夫です。
あとは身体に悪いと思うものの中から、どうしても譲れないものを1つだけ選んでそれ以外は排除します。
そうすると、普段それらに充てていた時間が空きますよね。
人は何もしていない時間が辛いので、空いた時間を何かしらで代用し始めます。
今度はその代替案を書き出しましょう。
これを明確にしておかないと、ただただ苦しい時間が続き、リバウンドしてしまいます。
今自分が必要だと思っていることはなんでしょうか?
運動。勉強。一息つく時間。
それらに置き換えていくんです。
実行するための環境のつくり方は過去の記事でもいくつか触れているので、興味があれば確認してみてください。
まとめると、
1つ目の方法は「1週間に1日だけ、あらゆる刺激的な行動を避ける」
2つ目の方法は「一部だけを残し、継続的にその他の刺激的な行動を避ける」
です。
ですが、なぜこんなことをするのでしょうか?
ドーパミン・デトックスの効果


あなたが毎日富士急ハイランドのジェットコースターに乗っていたとしたら、近所の公園の滑り台が楽しく感じるでしょうか?
あなたが毎日高級料理店で食事をしていたら、塩おにぎりが美味しく感じるでしょうか?
おそらく難しいでしょう。
ドーパミン・デトックスをすることで、先ほど説明したホメオスタシスのバランスが元に戻ってきます。
跳ね上がっていた基準値がどんどん下がっていくんです。
そうやって基準値が下がると、脳は再び小さな快感で満足するようになります。
普段退屈だと思っていたことが、楽しく感じられるようになるというわけです。
もちろん最初は苦痛を伴います。
高く保っていたバランスが一気に崩れますからね。
ですが、苦痛を感じるのはいいことです。
もし、ドーパミン・デトックスを始めて苦痛を一切感じていないなら、やり方を間違えていますから。
まとめ
今回の内容をまとめます。
私たちは、スマホやゲームを何時間でも続けることができるのに、長期的に自分の利益になるような活動をすることは難しく感じてしまいますよね。
それには「ドーパミン」という物質が深く関わっています。
ドーパミンは、脳内で喜びや動機づけの役割を果たす神経伝達物質です。
現代の私たちは、スマホやゲームなどから短期的かつ楽に快楽を得ることができ、その時に大量のドーパミンが放出されています。
それが基準値となってしまうがために、すぐに快感を得られず、力も使わなければならない勉強などに取り組めなくなるんです。
では、どうすればいいのでしょうか?
今回は「ドーパミン・デトックス」のやり方を2つ紹介しました。
- 1週間に1日だけ、できるだけ普段感じている楽しみを減らす
- 刺激的な行動をフィルターにかけて一部のみ許可する
ドーパミン・デトックスをすることで、跳ね上がっていた基準値が元に戻っていき、普段退屈だと思っていたことに再び楽しみを感じられるようになります。
この記事を読んだら



ドーパミンは悪いヤツだ
と感じることがあるかもしれません。
ですが、全く悪いものではないんです。
ドーパミンは、私たちが行動をおこすうえで欠かせない物質になります。
ドーパミンを何から得るのか。
それが大切になってくるということです。
最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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